2019年8月13日火曜日

【短期連載その12 空にひびいた あの音は】

津軽三味線のボランティア演奏をしに、地元のグループホーム(認知症の高齢者さん対象の施設)へ行ってきました。

申し遅れましたが、現在私は地元の三味線サークルで主にボランティア演奏をしつつ、県外の少し大きな団体で大会出場に向けての練習をしています。この説明いらんか。

地元のサークルは、おばさん(先生)・おじいさん・おばあさん・おばさん(私)の4人で主に活動しているのですが、おばあさんが5日くらい前に熱中症で倒れ復帰したばかり、当日先生も暑さで調子が悪く、全体的にエネルギー不足であった。代わりに紳士的な入居者さん(95歳のおじいさん)が先頭に立って椅子などを並べてくださいました。申し訳ないです。
演奏中も15人ほどの入居者さんたちがニコニコと聴いてくださり、特にその95歳のおじいさんは「無法松の一生」を村田英雄も真っ青の美声で歌っていた。演奏終了後は私たちにおやつを配り、自分の描いた絵を見せ、ホームで飼っている犬に散歩紐をつけて近くまで連れてきてくれました。そして私たちが玄関を出て行くまでずっと見送っていた。お盆の時期だけど、家に帰らないのかな、誰も会いに来ないのかな。明日帰るかもしれないし、定期的に誰かが会いに来ているのかもしれないし、そもそも家で家族と過ごすことだけが良いとは限らないし、家族のことを覚えていないかもしれないし、私たちが帰ったら私たちのことも三味線を聴いたことも忘れるかもしれない。ただおそらく、無法松の一生はずっと忘れない。

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