http://firmamentia.blogspot.jp/2016/08/blog-post_13.html
日曜日、フィルマメンチアの作業でもするかと、庭をはさんだとことにある作業場にガラリと入りましたら、視界の端で何かがサササと動いた気がしました。あれ、なんか嫌だな〜怖いな〜(稲川淳二)だっておかしいじゃない、その部屋にはあたし以外だれもいないはずなんですよ(引き続き淳二)と思いつつ、妖の動いた方へ行き、部屋の隅にあった小さな棚をどかしてみると、意外性もあまりなくヤモリが壁にはりついていました。
おまえか!!!と捕まえようとしたんですけれども、間近で見たそのヤモリは古くなって萎んだ風船のようにシワシワしていて、こんな弱々しい生き物グッと掴んで大丈夫かな、と一瞬手で掴むのを躊躇してしまった。アッ今ヤモリのことを思いやるような言い方でしたね、本当はそれ以上にそんなシワシワなヤモリを素手で触ることで生じる肌疾患の可能性を慮ったのである。そしてそこから長い戦いが始まったのであります。
一瞬の躊躇ののち、気を取り直してヤモリに掴みかかるものの、思ったよりすばしこくアッという間に物陰に隠れてしまうので、そこにあるものをどかしどかし鬼ごっこが始まった。作業場は物が多いし私は小太りの中年だしで大変です。裁断テーブルやアイロン台の下、壁と本棚の隙間、積んである衣装ケースの裏側、明け方の街桜木町など、こっちもビビりながら探しているので見つけたら見つけたでうわあ!!!なんつって大声出しているうちにまたサササと逃げられる。ゴキでもこやつでも突然ダッシュで動くので心臓に悪いです。その日は珍しく夫が家にいたので、訳を話して助けてもらおうとするも「ええっそれは大変だね!!(スマホスッスッ)あっゴキ用の冷凍スプレーで動きを鈍らせたところを捕まえたらいいらしいよ!冷凍スプレーは物置にあるよ!」と言いつつソファから1ミリも体を起こさないのであった。まあいいわ、いいこと聞いたありがとよ!とスプレーとついでに小さな火ばさみを持って作業場に戻り、室内の引き戸と敷居の間に体をよじらせながら入れつつ逃げようとしていたヤモリを無事捕獲することができました。ごめんなさいどうぞお元気で、、
しばらくは再びヤモリが侵入してこないように作業場にいる時間が長くなりそうです。たくさん秋冬物を作りたいなあ。
【備忘録】
短編集。ふと気づいたら非日常に片足を突っ込んでしまっていた人たちの話。郵便配達人の話と、父を看取ったおばさんの話が面白かったです。
思わせぶりな登場人物と文章とストーリー。分からない部分も多い。「掏摸」の兄妹編ということらしいので、そちらも読んだ方がいいのかな。「教団X」も読んでみたいけれどもこちらを読んだ後だと即買いという感じでもないのですよね、、
地下鉄かなにかの中吊り広告で見たので読んでみました。作者は外務省の医務官だったり訪問介護の世界にいたりした方だそうな。何人分の人生よ、、キャラクターもストーリーも親切にわかりやすい。疲れている頭にも読みやすいです。
「囚われ」をテーマにした短編集。囚われているからこそ見えてくるものについて。暗かったり醜かったり低俗だったり意地悪だったり救いがなかったりが相変わらずのクオリティーで描かれていてこれこれ!とどんなに疲れていても読めてしまう。読み終わる頃には、自分も気づかないうちに何かに囚われていないかと少しだけ不安になります。アイドルの話とブラジルの話が特に好き。雀の話はその後が気になります。
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