2016年8月22日月曜日

【短期連載その17 ファンデルワールス力】

※本日は8月13日の記事の続編です
 http://firmamentia.blogspot.jp/2016/08/blog-post_13.html

日曜日、フィルマメンチアの作業でもするかと、庭をはさんだとことにある作業場にガラリと入りましたら、視界の端で何かがサササと動いた気がしました。あれ、なんか嫌だな〜怖いな〜(稲川淳二)だっておかしいじゃない、その部屋にはあたし以外だれもいないはずなんですよ(引き続き淳二)と思いつつ、妖の動いた方へ行き、部屋の隅にあった小さな棚をどかしてみると、意外性もあまりなくヤモリが壁にはりついていました。

おまえか!!!と捕まえようとしたんですけれども、間近で見たそのヤモリは古くなって萎んだ風船のようにシワシワしていて、こんな弱々しい生き物グッと掴んで大丈夫かな、と一瞬手で掴むのを躊躇してしまった。アッ今ヤモリのことを思いやるような言い方でしたね、本当はそれ以上にそんなシワシワなヤモリを素手で触ることで生じる肌疾患の可能性を慮ったのである。そしてそこから長い戦いが始まったのであります。

一瞬の躊躇ののち、気を取り直してヤモリに掴みかかるものの、思ったよりすばしこくアッという間に物陰に隠れてしまうので、そこにあるものをどかしどかし鬼ごっこが始まった。作業場は物が多いし私は小太りの中年だしで大変です。裁断テーブルやアイロン台の下、壁と本棚の隙間、積んである衣装ケースの裏側、明け方の街桜木町など、こっちもビビりながら探しているので見つけたら見つけたでうわあ!!!なんつって大声出しているうちにまたサササと逃げられる。ゴキでもこやつでも突然ダッシュで動くので心臓に悪いです。その日は珍しく夫が家にいたので、訳を話して助けてもらおうとするも「ええっそれは大変だね!!(スマホスッスッ)あっゴキ用の冷凍スプレーで動きを鈍らせたところを捕まえたらいいらしいよ!冷凍スプレーは物置にあるよ!」と言いつつソファから1ミリも体を起こさないのであった。まあいいわ、いいこと聞いたありがとよ!とスプレーとついでに小さな火ばさみを持って作業場に戻り、室内の引き戸と敷居の間に体をよじらせながら入れつつ逃げようとしていたヤモリを無事捕獲することができました。ごめんなさいどうぞお元気で、、

しばらくは再びヤモリが侵入してこないように作業場にいる時間が長くなりそうです。たくさん秋冬物を作りたいなあ。


【備忘録】

透明な迷宮
透明な迷宮
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平野 啓一郎
新潮社
売り上げランキング: 133,225

短編集。ふと気づいたら非日常に片足を突っ込んでしまっていた人たちの話。郵便配達人の話と、父を看取ったおばさんの話が面白かったです。


王国 (河出文庫 な)
王国 (河出文庫 な)
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中村 文則
河出書房新社
売り上げランキング: 13,444

思わせぶりな登場人物と文章とストーリー。分からない部分も多い。「掏摸」の兄妹編ということらしいので、そちらも読んだ方がいいのかな。「教団X」も読んでみたいけれどもこちらを読んだ後だと即買いという感じでもないのですよね、、


いまのはなんだ? 地獄かな
花村 萬月
光文社
売り上げランキング: 583,998

文章で何かを伝えるというのがこんなに大変なことなのか、、といつもこの方の作品を読むと思います。密度の濃い文章の連続がしんどいよ〜。しんどいけれどもものすごい説得力。ストーリーは胸が痛いです。


嗤う名医
嗤う名医
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久坂部 羊
集英社
売り上げランキング: 6,073

地下鉄かなにかの中吊り広告で見たので読んでみました。作者は外務省の医務官だったり訪問介護の世界にいたりした方だそうな。何人分の人生よ、、キャラクターもストーリーも親切にわかりやすい。疲れている頭にも読みやすいです。


奴隷小説
奴隷小説
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桐野 夏生
文藝春秋
売り上げランキング: 44,874

「囚われ」をテーマにした短編集。囚われているからこそ見えてくるものについて。暗かったり醜かったり低俗だったり意地悪だったり救いがなかったりが相変わらずのクオリティーで描かれていてこれこれ!とどんなに疲れていても読めてしまう。読み終わる頃には、自分も気づかないうちに何かに囚われていないかと少しだけ不安になります。アイドルの話とブラジルの話が特に好き。雀の話はその後が気になります。

2016年8月19日金曜日

【短期連載その16 どうでもよくない】

突然ですが短期連載おつきあいくださってありがとうございます。
連日の微妙なサボり具合に適当な文章、聡い皆様にはおわかり頂けますでしょうか。

私は疲れています。岐阜弁で言うところの「で〜れえれぇげ〜」であり英語で言うところのexthaustedである。昨日木曜日は、私以外の家族が1日出かけていたので色々な用事をバリバリこなそうと思っていたのですが、バリ、、とやった後急激に全てがどうでもよくなって昼ごはんも食べずにうたた寝してしまった。

全てがどうでもいい病はその後も続き、子どもたちが帰ってきたらとっちめてやろう(宿題が全く終わっていない故)!と思っていたのに「もういいよ好きにしなよ、、私は金輪際勉強勉強と言わないので!ご飯つくって調子悪いとき病院に連れていくだけにするから!もう知らん知らん」みたいなことを言って皆を悲しい顔にさせて余計に疲れました。わしゃ何がしたいんだ。そして知らん言うてる割に空気を一切読み取らずゴロゴロしている息子に対して怒りがこみ上げ(娘はコソコソと宿題を終わらせた)、それを紛らわすために「小学生 息子 勉強しない」みたいなキーワードでネット検索してさらに疲れたりしています。知恵袋とか発言小町とかピリつき具合が恐ろしすぎるな、、

とにかくこの夏休みは、自分が何かに追われる感じで理不尽というか非論理的というか不条理というか全て同じような意味かもしれないけれどもイライラしてしまっているなあと思います。更年期かしら。そしていつもに比べて出かけていないことにも気づく。子どもの宿題を見張るか、録音しておいた深夜ラジオを作業場で聴くかの生活って、、と思い今日は娘と名古屋まで出かけてきました。なんかもう文章の構成がめちゃくちゃですがお許しを。。

目的はテレビ塔近くのギャラリーで行われていた絵の展覧会です。

小さな絵の展覧会(スペースプリズム)
http://spaceprism.com/exhibition.html

タイトルどおり、小さな絵の中に色々な世界があって楽しかったです。
たくさんの作品を見るのは私にとってとてもエネルギーを必要とするので尻込みしていましたが、思い切って行って良かった。刺激はとても大切ですね。。

そのあと2人で久しぶりにHARBSに入って馬鹿でかいケーキ食べてオアシス21の300円ショップで無駄買いしてなんとなく日々好日としみじみして今に至る。浅はかで二度とない毎日を過ごしています。

酷暑で最上階にだれもいない

そういや東京行ったとき初めて社屋みました。アルピーまたラジオやってほしいです。稀有な放送だった

2016年8月17日水曜日

【短期連載その15 壁に化石が埋まっていたよ】

先週末は、家族で旅行に行っていました。岐阜県には隣り合う県が云々いうてましたが今回は東京と神奈川に行ったのであった。時間短縮のため新幹線利用です。利用者以外の方からはあまり評判がよろしくない岐阜羽島駅ですが、私にとっては家の門を出てから2時間20分後くらいに東京駅に降り立つことができるありがたい駅であります。ちなみに新大阪にはその半分くらいの時間で行くことができます。

ままそんな感じで東京駅に行き、一泊を挟んで2日間とも何をしていたかとういうと、はとバスに乗っていました。どや、この自ら考えること動くことを全て放棄した旅行プラン。




衆議院本会議場。速記者用出入り口トンネルがあった

本会議場の天井ステンドグラス
国会議事堂(写真と撮ることのできる場所が限られているが、どこもかしこも素晴らしい造りであった)に行ったり

個人的には南展望台の方が好きですが、いかにもな土産屋のある北展望台も捨てがたい
 都庁の展望台に登ったり

とにかく広い
ズーラシア行ったり

サンボマスターに合わせてジャンプするイルカたち
 八景島シーパラダイス行ったり
あと写真はないけれどもNHK放送センターに行ったりしていました。

お盆期間中の東京は道路も空いており、夕食は銀座8丁目あたりで食べたのですが本当に人が歩いていなくて不思議な感じでした。ビルが林立しているのに人がいない逢魔時であった。 いずれにせよ、はとバスという魔法の乗り物に乗れば目的地まで連れて行ってもらえるし、道すがら色々な説明も聞くことができるし疲れたら寝ればいいしバスは清潔で空調も快適だし随分楽させていただきました。

東京は街ごとに雰囲気が違って本当に素晴らしいところだなあと行くたびに思います。お客さん用の場所を巡るだけならば、街の中に緑も水もふんだんにあるし、どこでご飯を食べてもだいたい美味しいし美術館博物館劇場など充実しているし最高やね、、雑踏の中で万能感と無力感が交互に去来する感じもいいですね。アッ都会の雰囲気に当てられて変な文章を書いてしまった。今度はフィルマメンチア絡みで東京に行きたいものです。

2016年8月13日土曜日

【短期連載その14 エゴイズム】

本日昼間、作業場でドレーピングをしていた際に、窓際の桟のところに小さな黒と白の点をみつけ、虫かと思いティッシュで取ってマジマジと見たらどうも何かの糞みたいだという認めたくない仮説に突き当たったので「糞 1センチ 黒 白混」で検索したらどうもヤモリの糞らしいということが判明しました。いや〜スマホがあると疑問に対してのレスポンスの速さが半端ない、いい時代になったな〜じゃなくて!糞て!やってくれたな爬虫類がぁ!!とそこから作業中断して目を血走らせての大捜索と大掃除で今に至ります。

幸いなことにすみずみまで見たところ他に糞が落ちている形跡はなかったが、部屋のどこかにヤモリがいたという事実に間違いはないんですよね、、築何十年も経っている日本家屋ということであちこちに隙間があるとは思うので、どこかから出て行ってくれているとありがたいのですが。こちとら大切な生地がたくさんあるので気が気ではないですよ。。(大半の生地はケースに入れているのだが巻いてある反物などが心配)ヤモリは益獣といってむやみに駆除しないほうがいいという意見があるみたいですが、それって部屋の虫を食べてくれるということですよね?でも虫を食べると糞しますよね、もういっそ虫を食べたヤモリを食べてくれるイタチみたいなのがいればいいのか、あでもイタチの糞とかもっと大変だな、、

作業場ではとにかく、ウール中心に虫食いにならないように心血を注いでいたのに、まさかヤモリとは。あと付け足しで、糞の大捜索中に小さなアリを3匹発見してこちらもまた「室内で行列つくっていたらどうしよう!!作業場では飲食しないように気をつけているのに!!!」とまた輪をかけてナーバスになってしまった。アリも私に発見されてしまった不運な3匹を除いては特に部屋への侵入は見られなかったので一安心ですが、、

とここで誤解なきよう言っておきますけれども私はヤモリやアリが嫌いなのではなく、作業場に入りさえしなければ好きなだけ虫食って糞してくれたり行列作って行進してくれたらいいのです。数年前には母屋の屋根裏にアライグマがいたし、犬の散歩をすればイタチやキジが目の前を横切るし、庭の木にはカラスや鳩が巣を作っているし物置では野良猫が出産するしカエルやジャンボタニシが田んぼで大量発生してアオサギやシロサギが悠々と空を飛びそんな地上の賑わいを感じたのかモグラまで土の中から出てきて道端に居る。みな精力的に生きています(モグラだけ死んでいます)。ほんともう、生きとし生けるもの好きにしてもらっていいので、作業場だけには入らないで、、

ということで、ヤモリにヒトの気配を感じ取って逃げてもらいたいのでなるべく作業場にいたいのですが、なんと明日というか今日から家族で旅行なのであった。夫が忙しすぎで今回は1泊です。岐阜県には隣り合う県が7つあるけれどもどこに行くと思うかい? 準備して寝ます。


雨の日の用水路でカモの親子。

2016年8月11日木曜日

【短期連載その13 六段】

これまでほとんど誰にも言っていなかったことがあって、実は昨年の9月から津軽三味線を習っています。なぜ言わなかったかというと「こいつまた何か始めたのか、どうせすぐ辞めてしまうでしょう」と思われるからであります。ついこの前マラソン走りましたやん的なね、、

昨年子どもが学校からもらってきたチラシの中に、津軽三味線体験(全4回)というのがあってそれに参加したのがはじまりです。参加者は私を含めて5人ほどおり、みな熱心だったのでかどうかは分かりませんが、とにかく先生のご厚意でそのあとも月に2回のペースでお稽古していただけることになりました。そうなった途端に生徒数が減り、今ではほぼ毎回、町の公民館の一室でマンツーマンで教えていただいています。

先生は私より10歳ほど上の女性で、小さな三味線のグループもつくってみえて、流れで私もそのグループに参加することになりました。メンバーは先生・若めのおじいさん・おばあさんとおばさんの間くらいの方・おばさん(私)の4人で、主な活動内容は老人介護施設や公民館などでのボランティア演奏です。これまで地域のお祭りやデイサービスなど5・6箇所くらいで演奏したのだが何せ私は弾ける曲が他のメンバーに比べて極端に少ないので、弾けない曲の時は手拍子をしたり入居者の方と一緒に歌ったりしている。入居者の方も施設によっていろいろで、ほとんどウトウトして反応のない方もいれば、元気に曲に合わせて踊ったりする方もいますし、職員の方も一緒に歌ったり踊ったりするところもあれば、忙しくてそれどころではないところもあったり、最近お邪魔したところだと若い職員さんが演奏中集まってペチャクチャ喋っているところもありました。アッ最後の部分だけなんだか悪意ある書き方をしてしまったかなすみません。ともあれどこの施設でも「ふるさと」を演奏すると聴いてくださる方の表情が何かを思い出すような感じになってなんとも言えない気持ちになります。

こころざしを果たして いつの日にか帰らん
山は青きふるさと 水は清きふるさと

なんだか取り留めなく書きましたが、貴重な経験をさせていただいているので、今後もがんばって続けたいと思っています。あととにかく上手になりたいなあ。


2016年8月9日火曜日

【短期連載その12 ニブンノイチ】


娘が宿題らしきものをしていたので、掃除をしながらそれとなく様子を見ていたのですが、「パチパチ」と音がしはじめたので近寄って行きましたら、華麗な指さばきで電卓を叩いて計算ドリルをやっていました。経理か何かの人かと思った。全部消してやりなおし、と言ったらこの世のものとは思えない恐ろしい顔になってものすごい勢いでやり直して、しばらくしたらお茶でも行きましょうと言ってきました。

息子が所用で不在だったので2人で近くの喫茶店に行き、ワッフルを食べながら娘の話を聞く。

○○君が○○ちゃんのこと好きなんだって〜など、はじめは彼女がイメージしている女子トークを展開しようとするもすぐにネタ切れとなり、そういう時は決まって「ママが見た一番怖い夢の話をして」と言ってくるのです。





それでいつも「砂場に骸骨が埋まっているのを見つけてどうしようと思っていたら自分も砂場に吸い込まれた話」と「起きても起きても夢の中、」の話をする。もう通算100回くらいしている。

娘は飽きもせず聞き、新鮮に驚き、さらなるディテールを求め、何度でも満足して楽そうにしています。

いつも温厚な息子と違い、娘の気分は分刻みで変わるので大変なことも沢山ありますが、新たな発見や驚きをたくさん持ってきてくれる面白い人です。

最近10歳になりました。

これからも好きな絵をたくさん描きながら楽しく暮らせるといーね。

2016年8月8日月曜日

【短期連載その11 甘ったれのうた】

【週末行ったこと】

土曜夜 町内の盆踊り(準備+手伝い+片付け)
日曜朝 朝6時過ぎに地区の中学校でラジオ体操+地域清掃
日曜夜 町内の盆踊り(準備+手伝い+片付け)


【得たもの】
  • 春駒と炭坑節とダンシングヒーローの振り付け(お座敷小唄はマスターできず)
  • 区長さんの顔と名前
  • 盆踊り中サーブされるお茶
  • 近所の病院の評判
  • 最近引っ越してきた人の素性
  • 他所のお母さんたちの間で作業する際の空気を読んでの立ち居振る舞い
  • からの過度の疲労
  • 早起きへのプレッシャーによる不眠
  • 早朝の中学校グラウンドに信じられぬほど多くの人が集まることに対しての驚き
  • めちゃくちゃ怖そうな中学校の先生が海人と書かれたTシャツを着ていたこと
  • ゴミアンドゴミ
  • 土曜よりも大きな日曜の盆踊りの輪
  • 海のない県でも異常に盛り上がるロックソーラン
  • 盆踊り中サーブされるポカリ
  • 熱狂の踊りの輪から生まれる砂埃
  • を吸って再発する咳
  • 昨日より若干疲れた他所のお母さんたちの間で空気を読んでの立ち居振る舞い
  • iPhoneの画面に入った無数のヒビ(不注意によりアスファルトに落下)
  • 駄菓子詰め合わせ
  • ティッシュ一箱
  • 踊る人たちの笑顔 プライスレス 


  私は好きなことをして生きている間に随分軟弱になってしまいました。

息子は櫓の上で2日間太鼓を叩き続けて良い思い出になったそうです