2014年3月22日土曜日

【お彼岸】

早いもので3月ももう後半ですね。いかがお過ごしですか。

私の3月はとても変な感じです。
上旬、忙しい両親の代わりでもあった祖父が亡くなりました。96歳でした。

普段どおり自宅でTVを見たり新聞を読んだりして過ごし、晩ご飯も食べて寝て、翌朝にはあの世に行ってしまった。

幼稚園の遠足も学校の授業参観も遅刻早退の送り迎えもいつも祖父がしてくれたし、自転車の乗り方や卵焼きの作り方やマッチの擦り方を教えてくれたのも祖父でした。大きくなってからも、実際に世話になることは減りましたが、厳しい両親からの避難所みたいな感じで助けてもらいましたし、もっと大きくなってからはもうそこに居てくれさえすればいいという祈りのような存在でした。

お葬式の頃はものすごく悲しくて仕方なかったけれど、何だか普段どおりの生活に戻っている自分もいて、なんかまあ、そうだよね、そうか、あーあ、と思っています。時々ふと祖父のことを思い出してみると、相変わらず祈りのような存在で、それは彼岸にいても此岸にいても変わらないんだなあと思う。そのような考えに至ることができたのは、祖父が元気で長生きしてくれたおかげだと思うので本当に感謝しています。

常々、生きている間に誰と出会うかというのは重要なポイントで、さらにその人とどのような形で出会うかが肝心になってくると思っていて、そういう意味で私は、祖父と孫という形でこの人と会えて良かったです。父親だったら多分お互い頑固すぎて衝突しただろうし、恋人だったら多分口うるさすぎただろうし、上司だったら厳しすぎたと思う。孫で良かったなー。

とかなんとか考えているうちに春も本番です。





【告知】
4041106915芥虫
桔梗 素子
KADOKAWA/角川書店 by G-Tools

この話題からほんと申し訳ないけれども、、、
尊敬する友人でもあり、すごく好きな作家さんの小説が本になりました!

本の告知ページ→
amazon取扱ページ→

3月28日発売予定、現在予約受付中です。

読みはじめると、主人公の辿る道のりに完全に引き込まれてグググと胃が痛くなったり憤りを覚えたり忙しく、読み終わると赦しとは何かについて深く考えさせられます。


先ほど祖父と、孫として出会えて良かったと書きましたが、友だちに関しても同じことが言えます。
日常の些末な出来事から、世の中のあれこれまで、モヤモヤして自分では考えがまとまらない時、この人ならどう考えるかな、この人ならどうするかな、と思いを馳せる相手がいることは、私にとってすごく有り難いことです。実際相談してもしなくても、その存在が暗がりを照らす灯りになっている、そんな人たちが私には何人かいる。桔梗さんもその作品を読んでいると、引き出しの多さというかその引き出しが奥深くて、そこを覗いていると知っているはずの世界が全然知らないということに気付かされる恐ろしい人です。恐ろしいんだけど、懐も深いからフワッと入ってガツンときちゃうんだよね。って小説の紹介なのになんという文章を書いているんだ私、、ともあれこちらの「芥虫」、ぜひお手に取ってご覧になってくださいませ。


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