2021年8月10日火曜日

【短期連載その6 幾つになっても】

3時に寝て6時に目が覚めてしまったので1日中眠い日でした。昼ごろ穴かがりのおじさんのところでお願いしていたワンピースとジャケットを取りに行く。家から割と近く、個人でも相手してもらえて仕事は早く正確で価格も安い、大変有難いお店である。狭い道路に面して建っているお店の引き戸をガラガラと開けると、コンクリの三和土の向こうでおじさん(と時々おばさん)が作業をしている、なんだか子どもの頃に戻った気分になる場所です。

そういや小学3年生まで暮らしていたところも、隣家の奥さんが縫製をしていて、庭に出るとよくミシンの音がしていました。そこの息子は私と同い年で、初めて会ったとき嘘のように大きな棒付きキャンディーを舐めていた。きっと私がそのキャンディーを珍しそうに見ていたのでしょうね、舐め倒していたそれを私の方に差し出して「ねぶる?」と聞いてきたのでそこから私が引っ越すまでずっとその子のことがなんとなく苦手でした。

じゃなくて、本当にその穴かがりのお店にはお世話になっているので、毎回何か差し入れを持っていった方がいいのかなと思うのですが、結局ちょうどいい感じのものが思い浮かばず代金を払ってお礼を言って逃げるように帰ってしまう。私の周りには、本当に上手に、相手が負担を感じない程度の、小さなしあわせ的なものを自然に手渡す方が大勢いて、つくづく大人だなあと感じます。それにひきかえ自分はいつまでたっても不器用で、言わなくていいことを言ったり言葉足らずだったり、そのことをグズグズ悩む割に何も昇華できず、一晩寝ては忘れ、過ちを繰り返し、各方面に義理を欠き、恥の多い人生を送っている。急にどうしたと思いました?今日は穴かがりの後、義母さんと三味線の先生とガソリンスタンドのお兄さんに失言してしまいひどく暗い気持ちになっているのです。全然前回の続きになっておりませんが終わります。


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