2016年8月25日木曜日

【短期連載その19 いつか】

昨日は少し離れた町の公民館で三味線を演奏してきました。
少し前にも書きましたが私は津軽三味線を始めて、先生の率いる会にも所属しているのです。会のメンバーは先生・若めのおじいさん・おばあさんとおばさんの間くらいの方・私の4人です。

その日はその地区の老人会の集まりに呼ばれており、時刻になるとどこからともなく田舎道を杖をついたり手押し車を押したりしながらおじいさんおばあさんたちが集まってきた。そして公民館ではおじいさんおばあさんたちが集まる前から、同じ町内のおばさんたちがそのおじいさんおばあさんたちのために席とお茶とオヤツを準備していました。そのおばさんたちは私たちの席もセッティングしてくださり、演奏が始まるとおじいさんおばあさんたちの後ろに静かに腰を下ろしました。

演奏が始まると、はじめは堅苦しい雰囲気だったのがメンバーのおじいさんの軽妙なトークなどもあり徐々にやわらかくなり、黒田節などマイクを回していくとおじいさんもおばあさんもそれぞれ好きな感じに歌いはじめ、さらに炭坑節になるとおじいさんおばあさんおばさんが入り混じって歌ったり踊ったり、この中では若めのおばさんである私も楽しくなり、調子に乗ってジャカジャカと弾いてきました。ふと我に帰ると小さな町の小さな公民館の日に焼けた畳の上で老人たちがグルリグルリと踊っている様は一体なんやねんと思わなくもないけれども、ちょっとした秘密を共有したような気持ちにもなった。帰りはおばさんたちが用意してくださったオヤツ(バナナ・どら焼き・豆入りあられ・砂糖がまぶされた固いゼリーなど)と、通販詐欺への注意を促すチラシをいただいて帰りました。

2 件のコメント:

  1. 久しぶりにコメントします。すっごく楽しそうでよかったです。こちらの老人たちはそんなに楽しくなく、どちらかというとがっかりのため息が出る方が多いです。最後まで楽しそうでこちらもにっこりです。

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    1. 入れていただいた会のメンバーがみなさんいい方で、楽しくやっています。きっと、演奏だけして帰るという距離感がお互いにちょうどいいんだと思います。来月はマジックショーを老人会で企画しているらしい、、その元気さにびっくりです。

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